歯ぎしりに悩むあなたへ|マウスピースで快眠と歯を守る

朝、目覚めたときに顎が痛みを感じたり、こめかみに鈍い痛みを感じたりすることはありませんか?
もしかしたら、それはあなたが眠っている間に起こっている「歯ぎしり」や「食いしばり」が原因かもしれません。
自分では気づきにくいこの癖、実は放置してしまうと、大切な歯がすり減るだけでなく、頭痛や肩こり、さらには顎関節症といった全身の不調につながることもあるのです。
「でも、どうすればいいの?」——そんなときに頼りになるのが、「マウスピース」なのです。
この記事では、歯科医師の視点から、歯ぎしりやスポーツ時に使用するマウスピースの種類や特徴について解説します。
さらに、後悔しないための正しい選び方・使い方まで、一つひとつ丁寧にご紹介します。
上大岡駅から徒歩1分の当院は、「土日診療」にも対応し、19:30まで診療可能な歯科医院です。
歯のお悩みや気になる症状がございましたら、お気軽にご相談ください。
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歯ぎしり・食いしばりのセルフチェック
「自分は歯ぎしりなんてしていない」と思っている方は、実はとても多いのです。
なぜなら、歯ぎしりは睡眠中の無意識下で行われるため、自覚がないケースがほとんどです。
まずは、以下のサインに心当たりがないかご自身でセルフチェックをしてみましょう。
- 朝起きたとき、顎に痛みや疲れを感じる
- 歯が削られている・平らになっている気がする
- 冷たいものが歯にしみるようになった(知覚過敏)
- 原因不明の頭痛や肩こりに常に悩まされている
- 頬の内側や舌に、歯を押し付けたような跡がある
- 詰め物や被せ物が頻繁に取れたり、欠けたりする
ご自身では、いくつか当てはまる項目がありましたか?
もし複数当てはまるようであれば、歯ぎしりや食いしばりをしている可能性が高いかもしれません。
歯ぎしりの基礎知識とリスク

歯ぎしりは、一見同じように思えても、実際には4つのタイプに分類されます。
それぞれの特徴を、以下で詳しく見ていきましょう。
歯ぎしりの種類

1. グラインディング
上と下の歯を「ギリギリ」と擦り合わせるタイプの歯ぎしりです。
音が出やすいため、比較的気づかれやすい、一般的な歯ぎしりといえます。
2.クレンチング
上と下の歯を「ギュッ」と強く食いしばる歯ぎしりです。
音が出にくいため、自覚症状がないことが多くですが、歯や顎に大きな負担がかかってしまっていることが多いです。
3.タッピング
上と下の歯を小刻みに「カチカチ」と行う歯ぎしりです。
緊張やストレスが原因で行うことが多いです。
4.ナッシング
特定の歯だけを「キリキリ」と軽く当て続ける歯ぎしりです。
擦り合わせたり、強く噛みしめるわけではないため、自分では自覚がない場合もあります。
主な原因
歯ぎしりの原因には、さまざまな要因が複雑に関係していることが多いです。
具体的には、ストレスや緊張、噛み合わせの問題、アルコールや喫煙などの生活習慣、遺伝的な要因などが挙げられます。
歯ぎしりを放置すると……
歯ぎしりを放置すると、日常生活にどのような支障が出ると思いますか?
実は、以下のような具体的な症状が現れることが多いのです。
1. 歯がすり減る、ヒビが入る
過度な力が繰り返し加わることで、歯の表面が大きくすり減り(摩耗)、エナメル質に亀裂(ひび割れ)が生じます。
これにより、歯がしみる知覚過敏を引き起こす原因となります。
2. 詰め物・被せ物の破損
歯ぎしりによる強い力は、歯に装着されている詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)にダメージを与えます。
強い力がかかることで、修復物が破損・脱落し、再治療が必要になるケースがあります。
3. 顎関節症のリスク
顎の関節(顎関節)に継続的に力がかかることで、顎関節症を引き起こすリスクが高まります。
口を開け閉めする際に「カクカク」という異音がしたり、強い痛みが生じたりすることで、日常生活にも支障が起きます。
4. 頭痛や肩こり、睡眠の質の低下
歯ぎしりや食いしばりは、顎周辺の筋肉を常に緊張させます。
この筋肉の緊張が波及し、慢性的な頭痛や首・肩のこりを引き起こします。
マウスピースの効果とメリット

マウスピースを使用することでは、実は以下の4つのメリットがあります。
- 歯や補綴物(詰め物など)の摩耗を防ぐ
- 顎関節への負担を軽減
- 筋肉の緊張をやわらげ、頭痛や肩こりも緩和
- 歯ぎしりの自覚促進と、良好な睡眠環境の維持
マウスピースを使用することで、抱えている症状や悩みが解消に向かうというのは、大きなメリットですね。
【最重要】市販品と歯科医院のオーダーメイド、どっちを選ぶべき?
マウスピースを試そうと思ったとき、多くの方が最初に悩むのが「市販品で済ませるか、歯科医院で作るべきか」という点ではないでしょうか
結論から言うと、長期的な健康を考えるなら、歯科医院でのオーダーメイドを強く推奨します。
その理由を比較しながら見ていきましょう。
| 項目 | 歯科医院のオーダーメイド | 市販品(既製品) |
| 特徴 | 個々の歯型に合わせて作られるため、ぴったりとフィットします。耐久性にも優れており、長期間使用可能。 | お湯で形を調整するタイプが多いため、使用感には個人差がある。 消耗が早く、定期的な交換が必要。 |
| フィット感 | 歯並びにぴったり合うので、装着中にズレたり外れる心配なし。 | 違和感やズレが生じやすく、調整が難しい。 |
| 保護効果 | 衝撃をしっかりと吸収し、分散することで優れた保護効果を発揮する。 | 歯との間に隙間が多く、保護効果が得られない可能性が高い。 |
| かみ合わせ | 歯科医師が診断・調整するため、正しいかみ合わせになる。 | 自己調整のため、かみ合わせが悪化する可能性がある。 |
| 費用相場 | 5,000円~30,000円程度 | 1,000円~5,000円程度 |
| こんな人におすすめ | 歯ぎしり対策やスポーツでの使用など、本格的な効果を求める方。歯科医師に相談したい方。 | お試しで使ってみたい方。費用を抑えたい方。 |
歯科医院で作るオーダーメイドタイプ
- フィット感が高く、長持ち
- 精密な歯型から作る完全オリジナル
- 噛み合わせの微調整が可能
- 費用目安:5,000〜30,000円
- 医師の指導が受けられるので安心
市販タイプ(ドラッグストア・通販など)
- 費用目安:1,000〜5,000円
- 安さが売りで手軽だが、フィット感は劣る可能性が有
- 耐久性が低く、定期的な交換が必要
- 不適切な適合だと、特定の歯や顎に負担がかかるリスク有
結論:マウスピースは、歯科医院で作るのがオススメ
市販品の手軽さと安さは確かに魅力的です。
しかし、お口に合わないマウスピースは本来の保護性能を発揮できないばかりか、噛み合わせを悪化させてしまう危険性があります。
そのため、歯科医院での作成を推奨しています。
歯科医院では、あなたの歯並びや噛み合わせを正確に診断した上で製作するため、安全かつ効果的な治療が可能です。
どんな種類があるの?目的によって全く違う3つのマウスピース
「マウスピース」と一言でいっても、実は目的によって大きく3つの種類に分かれます。
それぞれ機能や役割が異なるため、ご自身がどれに当てはまるか確認してみましょう。
1. 歯ぎしり対策用(ナイトガード)
眠っている間の歯ぎしりや食いしばりから歯を守るためのもので、これは「ナイトガード」とも呼ばれています。自分では気づきにくい睡眠中の強力な力から歯がすり減ったり、詰め物が欠けたりするのを防ぐのが主な目的です。
2. スポーツ用マウスガード
サッカーや格闘技、バスケットボールなど、接触プレーが多いスポーツをされる方にぜひ知っていただきたいのが「スポーツマウスガード」です。他の選手やボールとの衝突、転倒といったアクシデントの際に、歯が折れたり唇を切ったりする怪我を防ぎます。衝撃を吸収するクッションとして、脳震とうのリスクを軽減する効果も期待されています。
3. 顎関節症の治療用(スプリント)
「スプリント」と呼ばれる顎関節症の治療を目的としたマウスピースがあります。
顎の痛みや「カクカク鳴る」、口が開きにくいといった症状を緩和するために使われる医療機器です。
顎の関節を安静にし、正しい位置へと導く役割があり、歯科医師の精密な診断のもとで製作・調整されます。
そのため、症状が良くなったからといって自己判断で使用を中止せず、必ず医師の指示に従うことが大切です。
自分に合ったマウスピースの選び方

ここでは、マウスピースを選ぶ際のポイントについて説明していきます。
具体的には、3つのポイントに注意しましょう。
- フィット感
- 耐久性
- お手入れのしやすさ
それぞれ詳しく解説していきます。
フィット感
装着時の違和感が少ないものを選びましょう。
装着時に違和感があると、苦痛です。
フィット感のあるマウスピースを選ぶことで、噛み合わせを良くしていきます。
耐久性
歯科医院で作成するマウスピースは耐久性がよく、安心して使用することができます。
ただし、市販のマウスピースは、消耗が早いため、数カ月で買い替える必要がありますので、注意しましょう。
お手入れのしやすさ
毎日、口腔内に装着するものなので、清潔に保てるかも重要な視点になります。
歯科医院で作成するマウスピースは、素材もよく傷もつきにくいたため、衛生的にも安全です。
大切なマウスピースを長持ちさせる!正しいお手入れ方法
オーダーメイドで作ったマウスピースは、あなたの歯を守る大切なパートナーです。
適切にケアして、長く清潔に使用する心がけていきましょう。
具体的には、以下の4点は気を付けることが大切です。
- 寝る前に装着し、違和感がないか確認
- 使用後は水洗い、週1程度で専用クリーナーを使用して洗浄
- 直射日光を避けて保管し、専用ケースを使用しましょう
- 熱に弱い素材なので、熱いお湯で消毒するのは控える
マウスピース以外の歯ぎしり対策

歯ぎしりや食いしばりへの対策は、マウスピースの装着以外にも、日常生活の中で取り組めることが数多くあります。
ここでは、簡単にできる対策を解説していきます。
1. ストレスをためない
深呼吸、軽いストレッチ、マッサージなどを取りいれることで、歯ぎしりの原因でもあるストレスや緊張を取り除きましょう。
2. 生活習慣の改善
寝る前の過ごし方や飲食習慣を見直すことも重要です。
就寝前にリラックスできる時間を作り、中枢神経を刺激するカフェインやアルコールの摂取を控えることで、質の高い睡眠を意識していきましょう。
3. 歯科医院での相談
自己対策で改善しない場合は、専門家である歯科医院に相談することが確実です。
噛み合わせの状態や食いしばりの癖などを確認してもらうようにしましょう。
まとめ
マウスピースは、今ある不快な症状を和らげるだけでなく、将来的に歯が削れたり、割れたりして高額な治療が必要になるのを防ぐための「予防ツール」でもあります。いわば、未来の健康とお金を守るための賢い自己投資なのです。
自分に合ったマウスピースを活用し、適切なケアと生活改善で、歯と快適な眠りを守りましょう。
気になる方は、まず歯科医院に相談することをおすすめします。
「もしかして自分も…」と少しでも感じたなら、それがあなたのお口を見直す絶好のタイミングです。市販品で様子を見るという選択肢もありますが、確実な効果と安全性を求めるのであれば、ぜひ一度、お近くの歯科医院で相談してみてください。専門家と一緒に、あなたにとって最善の解決策を見つけましょう。
当院にお電話でご相談されたい方はこちら、
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監修医
塚本 院長
略歴
・鶴見大学歯学部卒業
・神奈川県内の歯科医院にて勤務
・アーバン歯科 上大岡駅前院 院長
資格
・ストローマンインプラント証明書取得
担当科目
- 一般歯科
- 審美歯科(セラミック治療)
- インプラント
- 親知らずの抜歯

